いつもはハゲにまつわるニュースをお送りしているハゲルヤですが、今回は趣向を変えて、ちょっとしたコラムをお送りします。書き手は現在東京在住、九州出身で36歳の男性・Kさんです。
〜〜〜〜〜〜
東京へ出てきて早18年。いつのまにか故郷で過ごした年月と同じ時間を東京で過ごしている。
20代の頃には友人たちとの交流もあり、地元にも年に数回帰っていたが、最近では年に一度実家に帰るか帰らないかになっている。そんな折、かれこれ10年以上会っていない高校時代の友人から結婚式の招待状が届いた。調べてみると招待状の前にメールがあったようだが、完全に見逃していたらしい。
しばらく招待状を放っておいていると、その友人から電話があった。なんでも高校時代の友人だけのテーブルを用意したので、ぜひ来て欲しいとのことだった。電話で招待してもらってはもう逃げ場はない。その場でお祝いの言葉を述べて、出席することを伝えた。
Embed from Getty Images
当日、地元の空港に降り立ち、故郷の湿っぽい空気を吸い込んだ。学生の頃は飛行機代が惜しくてあまり帰省することもなかったなと思いつつ、リムジンバスに乗り込む。田舎の空港というのは大体山の中にあり、市街地へ出るまでには結構な時間がかかる。
いつ追加されたのかわからないが、バスのアナウンスには中国語と韓国語もあり、地元の観光ビジネスがずいぶん変わったことを教えてくれた。個人的には3カ国語分話すアナウンスに気を取られてしまい、降車するタイミングを逃しそうになってしまったので、バス会社にはぜひ改善をお願いしたい。
〜〜〜〜〜〜
Embed from Getty Images
昼過ぎ、式場に到着した。地元では大きな冠婚葬祭を一手に引き受ける業者の会場だ。荷物を預け、ウェイティングルームに入ると、懐かしい顔が並んでいた。
「おう、久しぶり」
少し太ったか、顔にシワが増えたか、それぞれが20代の頃とは違う顔つきをしているのが面白い。こいつらの結婚式にも出席したな、と思ったが、それもずいぶん昔のことだ。
「結婚は?」
東京では30代後半で独身なんてザラにいるよ、なんて話しても通じるわけがなく、すぐに結婚はいいぞだの地元に帰って来いだのという話がはじまる。
「そんなことより、全員キテるな」
自分の頭もだいぶ薄くなったが、こいつらはそれ以上だ。まあ、独身でお気楽にやっている自分と違って背負っているものもあるんだろう。悪くない年の取り方かもしれない。そんなことを伝えると、雰囲気が一気に和んだのがわかる。
「お前、あいつと会うの10年ぶりなんだろ?絶対驚くぞ」
〜〜〜〜〜〜
Embed from Getty Images
式が始まるというので、式場に移動した。新郎新婦の入場だ。ドアが開く。
「ツルッツルだ・・・」
思わず声に出てしまった。剃り跡から生え際の後退がわかる。中途半端な抵抗をしていない分、むしろ男らしいのか?
式が終わって友人達と話す。新郎は結婚を機に全部剃ったらしい。見た目を気にしない、いい嫁さんをもらったとみんなで話していた。
披露宴で新郎新婦と少しだけ話したが、2人とも幸せそうで何よりだった。テーブルでは高校時代の髪型の話に。そうだ、あいつはロン毛だった。
Embed from Getty Images
地元の人間はとにかく酒を飲む。延々と飲む。その日は深夜まで暴飲暴食をして、ホテルに辿り着いたあと、気を失うようにして寝た。こんなことしてたら髪に悪いなと思ったが、今日くらいはいいだろ。
18年の歳月は全員の毛髪量を減らし、笑顔を少し老けさせた。でも、なんかいいよな。気のいい連中と昔と変わらないバカ話をして過ごす。そんな日には、歳をとるのも悪くないなと思う。
〜〜〜〜〜〜
東京へ出てきて早18年。いつのまにか故郷で過ごした年月と同じ時間を東京で過ごしている。
20代の頃には友人たちとの交流もあり、地元にも年に数回帰っていたが、最近では年に一度実家に帰るか帰らないかになっている。そんな折、かれこれ10年以上会っていない高校時代の友人から結婚式の招待状が届いた。調べてみると招待状の前にメールがあったようだが、完全に見逃していたらしい。
しばらく招待状を放っておいていると、その友人から電話があった。なんでも高校時代の友人だけのテーブルを用意したので、ぜひ来て欲しいとのことだった。電話で招待してもらってはもう逃げ場はない。その場でお祝いの言葉を述べて、出席することを伝えた。
Embed from Getty Images
当日、地元の空港に降り立ち、故郷の湿っぽい空気を吸い込んだ。学生の頃は飛行機代が惜しくてあまり帰省することもなかったなと思いつつ、リムジンバスに乗り込む。田舎の空港というのは大体山の中にあり、市街地へ出るまでには結構な時間がかかる。
いつ追加されたのかわからないが、バスのアナウンスには中国語と韓国語もあり、地元の観光ビジネスがずいぶん変わったことを教えてくれた。個人的には3カ国語分話すアナウンスに気を取られてしまい、降車するタイミングを逃しそうになってしまったので、バス会社にはぜひ改善をお願いしたい。
〜〜〜〜〜〜
Embed from Getty Images
昼過ぎ、式場に到着した。地元では大きな冠婚葬祭を一手に引き受ける業者の会場だ。荷物を預け、ウェイティングルームに入ると、懐かしい顔が並んでいた。
「おう、久しぶり」
少し太ったか、顔にシワが増えたか、それぞれが20代の頃とは違う顔つきをしているのが面白い。こいつらの結婚式にも出席したな、と思ったが、それもずいぶん昔のことだ。
「結婚は?」
東京では30代後半で独身なんてザラにいるよ、なんて話しても通じるわけがなく、すぐに結婚はいいぞだの地元に帰って来いだのという話がはじまる。
「そんなことより、全員キテるな」
自分の頭もだいぶ薄くなったが、こいつらはそれ以上だ。まあ、独身でお気楽にやっている自分と違って背負っているものもあるんだろう。悪くない年の取り方かもしれない。そんなことを伝えると、雰囲気が一気に和んだのがわかる。
「お前、あいつと会うの10年ぶりなんだろ?絶対驚くぞ」
〜〜〜〜〜〜
Embed from Getty Images
式が始まるというので、式場に移動した。新郎新婦の入場だ。ドアが開く。
「ツルッツルだ・・・」
思わず声に出てしまった。剃り跡から生え際の後退がわかる。中途半端な抵抗をしていない分、むしろ男らしいのか?
式が終わって友人達と話す。新郎は結婚を機に全部剃ったらしい。見た目を気にしない、いい嫁さんをもらったとみんなで話していた。
披露宴で新郎新婦と少しだけ話したが、2人とも幸せそうで何よりだった。テーブルでは高校時代の髪型の話に。そうだ、あいつはロン毛だった。
Embed from Getty Images
地元の人間はとにかく酒を飲む。延々と飲む。その日は深夜まで暴飲暴食をして、ホテルに辿り着いたあと、気を失うようにして寝た。こんなことしてたら髪に悪いなと思ったが、今日くらいはいいだろ。
18年の歳月は全員の毛髪量を減らし、笑顔を少し老けさせた。でも、なんかいいよな。気のいい連中と昔と変わらないバカ話をして過ごす。そんな日には、歳をとるのも悪くないなと思う。
