国立研究開発法人・理化学研究所生命機能科学研究センターの器官誘導チームと、アジュバンコスメジャパン(神戸市)の共同研究チームは、化粧品で利用されている特定の機能性ペプチドが毛髪の成長促進効果を有することを発見しました。

機能性ペプチドで髪がすくすく

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共同研究チームは新たな育毛成分の発見を目指し、成分の探索を行っていたところ、化粧品成分として用いられる特定の機能性ペプチド(アミノ酸が重合したもの、以下「機能性ペプチドA」という。)がミノキシジルと同等に毛髪を成長させることを発見すると共に、この機能性ペプチドAが、毛髪の成長を制御する毛乳頭細胞における育毛に関連する生理活性物質の遺伝子の発現を誘導することを明らかにしたのです。

ペプチドとは?

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そもそもペプチドとは、アミノ酸とアミノ酸がペプチド結合して2個以上つながった構造のもの。(高校で習いましたね)20種類のアミノ酸を使ってアミノ酸2個からなるペプチドを作ると、ペプチドは総計20×20=400種類あることになります。

ミノキシジルというのは、リアップなどの有効成分で、頭皮に塗って使うもの。リアップのジェネリックが続々出ていますが、抜け毛を防ぐのが飲み薬のプロペシア(フィナステリド)で、発毛を促進させるのがミノキシジルになります。

汁(ジル)だから頭に塗るほう、と覚えておきましょう。

51種類の素材の中から発見

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51種類の素材を、毛周期長が約20日の生体モデルを用いて、幹伸長速度と最大毛幹長を測定したところ、機能性ペプチドAがミノキシジルと同等に毛幹の成長を促すことを発見したといいます。

これ、嬉しかったでしょうねえ「教授!伸びてます!髪が伸びてます!」みたいな。
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グラフにあるように、ミノキシジルと同様の成長を促した「機能性ペプチドA」。確かにすくすくと育っています。

ペプチドAの中に成長因子が2種類

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ペプチドAで髪が育つことはわかりましたが、なぜ育つのかを解明するのが科学ですよね。

そこで、ヒト由来毛乳頭細胞に各成分を添加し、その遺伝子発現の解析が実施されました。

すると、毛包周囲の毛細血管の増殖や新星を促進する働きを持つ成長因子「VEGF」と、毛母細胞の増殖・分裂を促進する働きを持つ成長因子「FGF-7」の発現量が増加。

機能性ペプチドAに対し、ミノキシジルと同等またはそれ以上の濃度依存性が認められました。

毛細血管を強く太くする「VEGF」と毛母細胞を促進する「FGF-7」。難しいことはよくわかりませんが、この2つの因子に我々は感謝したいと思います。

ペプチドAで特許出願

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理研とアジュパンコスメジャパンは、共同でこの機能性ペプチドAの育毛効果において特許を出願。将来、新しい育毛剤が世の中に出る頃には大金持ちではないでしょうか。

フィナステリドとミノキシジルに加え、全世界のハゲを救ってくれるであろう「ペプチドA」。100年後には地球上からハゲが絶滅しているかもしれませんね。

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