「ハゲはスケベで絶倫」
我々薄毛族に大きな自信を与えてくれる、男冥利に尽きる1つの説ですよね。
実はコレ、紀元前を生きた古代ギリシアの哲学者アリストテレスが考え出した説で、今も語り継がれている「伝説」なのだとか。

つまり我々は「万学の祖」とも呼ばれるアリストテレスに大きな勇気をもらって生きているというわけ。
それでは、なぜアリストテレスが「ハゲはスケベ」という結論にたどり着いたのか、歴史を紐解いていくとしましょう。
それでは、なぜアリストテレスが「ハゲはスケベ」という結論にたどり着いたのか、歴史を紐解いていくとしましょう。
エネルギーが下半身に集中するからハゲる
ここからは哲学のお話です。
理論とは眺めること、観察すること。
↓
眺めていると心眼で見るようになる、理性の眼で見るようになる。
では、頭のハゲた男を心眼で眺めた結果、アリストテレスがたどり着いた答えとは?
「人間の体は熱が循環しているけれど、好色な男は熱が下半身周辺に集まる。それにより頭皮から熱が引くから、髪に有害となってハゲる」

アリストテレスは、ハゲた人を見て、頭皮のエネルギーが下半身に集まっているからハゲるんだ、と考えたわけです。なるほど一理あるような気がしてきます。
紀元前から語り継がれる「ハゲはスケベ」ストーリー
しかし、こちらは科学的な根拠などまったくない「個人の感想」です。
ですがすごいのは、アリストテレスが紀元前に書いた『動物誌』で生まれたイメージが、21世紀の今ままで語り継がれているということ。
ですがすごいのは、アリストテレスが紀元前に書いた『動物誌』で生まれたイメージが、21世紀の今ままで語り継がれているということ。
眺めて、心眼で、理性の眼で見た結果、ハゲはスケベだとアリストテレスは結論付けたのです。
流行りすたりが激しい現代において、すぐ役に立つことはすぐ役に立たなくなりますが、「ハゲはスケベ」という説は2千年以上語り継がれ、現代の我々に勇気を与えてくれる。
これこそ哲学ですね。アリストテレス先生ありがとうございます。
「ハゲも髪をもっていたではないか」
「白髪やハゲの人も、始めは黒色や茶色の髪をもっていたではないか」
ハゲの父親から生まれた子どもだって、最初からハゲていたわけではない。
アリストテレスは遺伝について、人の性質は受精時にすべてが決まるのではなく、発達の過程で段階的に変化すると主張したのです。
もちろん科学的な根拠がある時代ではなく、残念ながらハゲは遺伝することがわかってしまいましたが、運命は努力で覆せるという考え方は、現代でも通用するのではないでしょうか。
ちなみに、遺伝により必ずハゲるわけではなく“ハゲやすい体質が受け継がれる”ということ。遺伝を受け継いだとしても100%ハゲるわけではないということを覚えておいてください。
未来は変えられるのです。
未来は変えられるのです。
アリストテレスはハゲていた?
こちらは、ラファエロが残した絵画『アテナイの学堂』

中央左がプラトン、そしてその隣、右にいるのがアリストテレス。プラトンは明らかにハゲていますが、アリストテレスはハゲていないようにも見えますよね。
しかし、アリストテレスは「足が細くて、目が小さく、髪が短く、あるいはハゲていた」という話もあるんだとか。
「ハゲはスケベ」と唱えたアリストテレスは、ハゲていたのか? もしハゲていたとしたら、自分を勇気づけるための“偏見”だったのかもしれません。
深いぜ、哲学……。