『青春の門』『大河の一滴』『生きるヒント』など数々のベストセラーを世に送り出してきた作家の五木寛之さん。なんと御年90歳。

2023年3月時点の最新のプロフィール写真をご覧ください。
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白髪になっているとはいえ、90歳とは思えないフサフサとした毛並み。『ハゲないヒント』も執筆してもらいたいですが、実は最近頭皮に異変が起きているのだといいます。

ごっそりと毛が抜けていた

ご自身の頭皮に起きた異変について、新刊『うらやましいボケかた』の中ではこう語っていました。

ハゲに気がついたのはコロナ禍のタイミングで、何気なく髪を洗ったあと鏡を見たところ、毛髪の具合がなんとなく変なことに気がついたそうです。

なんと、前頭部に地肌がすけて見えたのだとか。五木寛之さんは気になり、指で髪の毛をかきあげると、ごっそりと毛が抜けていたと話します。

歳を重ねても鬱陶しいほど多かった髪の毛

60歳を過ぎてからも髪の毛が多く、自分自身でも「うっとうしい」と感じていた五木寛之さん。なんと髪の毛は年に数回しか洗わず、このままハゲずに一生過ごせると自負していたそうです。

これには著者の私はもちろん、読者のみなさんも羨ましいとお感じかと思いますが、そんな自信たっぷりだった五木さんは、突然訪れた毛髪の異変に震えたのだとか。

五木寛之さんは著書の中で「テレビで見るアメリカ大統領やロシアの独裁者ほどではないが、かなりそっくりだ」と表現しています。



親鸞聖人にあやかり、ハゲたことで新しい名前を考えた

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「手洗いよりも髪の毛を洗えばよかった」と後悔する五木寛之さんですが、90歳になってもまだ髪の毛が残っているのはありがたいと考え「新しい名前をつくろう」と決意をします。

ハゲたから新しい名前をつくろうと考えたのは、浄土真宗の宗祖である親鸞が仏教を広めようとして迫害を受け、越後に流された時「愚禿親鸞(ぐとくしんらん)」を名乗ったことにあるのだとか。



現在も「禿」という名字の方がいらっしゃいますが、これはこの時の改名をルーツとしています。

「禿」という漢字は、当時「カブロ」と読まれ、いまでいうおかっぱ頭。また一般市民ではない最底辺とされた人々もカブロ頭だったのです。

親鸞は「僧にあらず、俗にあらず」と宣言しており、これは僧侶と一般人のどちらにも属さないという決意の現れで、「聖人・俗人・非人」の「非人」がカブロ頭だったことを考えると、「禿」を名乗った親鸞は「僧」でも「俗」でもない、もう1つの最底辺に身を置く宣言をしたのでは…と五木寛之さんは妄想しているのだとか。

これはあらゆるものに差別された人々の中に身を置くという決意で、そうそうできることではありません。

五木寛之さんは死後の法名を「ひそかに〈禿浄寛〉でもいいかな、とも思う」としています。

ハゲたことをこれだけ崇高に解釈し、次の一歩を踏み出せる五木寛之さん。

「私もようやく世間一般でいう「禿」の仲間入りをはたした。九十歳を目前にして、なにか新しい人生の覚悟がきまったような気分である」

我々の仲間に入っていただけたことを心から歓迎しつつ、ハゲはそんなに哲学的にならなくても大丈夫です、気楽に行きましょう!と先輩ハゲとしては声をかけてあげたいですね。

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