実際はハゲていないのにハゲと呼ばれた歴史上の人物がいました。

ハゲているならまだしもハゲていないのにハゲと呼ばれる、これはただの悪口ですよね。もし自分だったら「絶対に許せない」と一生呪い続けるかもしれません。

フサフサなのにハゲ呼ばわりされても堂々としていた男。それが、西フランク王国初代国王、その名もシャルル2世。またの名を「禿頭王」です。
晩年にイタリア王位も獲得し、神聖ローマ皇帝カール2世となったシャルル2世は、こちらの絵を見ても分かる通り、ハゲていないですよね。ではなぜ「禿頭王」呼ばれていたのでしょうか。
Steuben_-_Charles_the_Bald
ドイツの作家、ラインハルト・レーベの著書『カール禿頭王は本当に禿げていたか』では
  • 生誕時から領土を持たなかったのでと「禿頭王」と呼ばれたという説
  • 10歳の時にプリュム修道院に送られて剃髪されたので、後年「禿頭王」と呼ばれるようになったという説
2つの説を挙げ、どちらも証拠がないと否定した上で、「打ち続く争いの間にどんどん髪が抜けて、本当に禿げてしまったのではないか」と結論付けていました。

しかし、これもまた仮説。シャルル2世の頭髪がハゲていたということを証明する史料は存在しないのです。

ハゲはいじられる対象ではなかった?

そして興味深いのは、同時代のシャルル2世の敵対者が「禿頭王」という異名や、頭髪について揶揄するような記録も残っていないということ。

これらは、シャルル2世がハゲていなかったか、もしくは当時ハゲがいじられるような対象でなかったことを意味するとも言われています。
リアル「禿頭王」になりそうなウィリアム皇太子の話はさておき、はたしていつからシャルル2世は「禿頭王」と呼ばれていたのか。823年に生まれ877年にこの世を去ったシャルル2世が、生きている間には「禿頭王」と呼ばれていなかったという話もあるのです。

「禿頭王」の子は「吃音王」

ちなみに、シャルル2世の跡を継いだルイ2世の異名は「吃音王」


他にも「肥満王」「単純王」「怠惰王」…ちょっとひどくないですか?

王様の悪口あだ名シリーズ、逆に面白くなってきました。

「禿頭王」の読み方は?

さて、ここまで読んでくださった皆様は「禿頭王」を、心の中でなんと読んでいたでしょうか。

多くの方が「はげあたま王」と読んでいたかもしれませんが、実はこれ「とくとう王」と読むんだそうです。
禿頭王
「禿頭」と書いて「とくとう」と読む、その意味は「はげあたま」のことなので、結局はハゲのことなんですけどね!

シャルル2世が我々薄毛族のお仲間だったのか、今は知る由もなし。どうせハゲるなら「禿頭王」くらいのあだ名がいただきたいものですね。

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