ここ数年、ダイエットや健康維持の方法のひとつとして人気の断食。その中でも始めやすいといわれる「断続的断食」をご存じでしょうか。

「断続的断食」とは、決められた時間内で食事をし、それ以外の時間は食べないというのが主なルール。
例えば、1日の中で8時間だけは食事をしていいけれど、残りの16時間は断食する。1日おきに食べる日と食べない日を設定するなど、形式は様々です。
食べない時間を設定することで胃や腸を休ませることができる、心血管疾患、アルツハイマー病のリスクを低下させると近年注目されています。
しかし、「断続的断食」は良いことだらけかと思いきや、なんと髪の成長を遅らせる可能性があることが明らかになってしまいました。

デブが解消されたとてハゲが進行してしまったら、一大事ですよね! 「継続的断食」のデメリットを、くわしくご紹介します。
髪の成長速度が低下する可能性
「断続的断食」により髪の成長速度が低下する可能性があると発表したのは、中国浙江省にある西湖大学の研究チーム。
18時間の断食を毎日行った健康な若年成人49名を対象に臨床試験を行った結果、平均で髪の成長が18%遅れることが確認されたというのです。18時間食べなかったら、18%髪の成長が遅れる、これぞ「18の悲劇」。
さらに、マウスを使った実験も行われました。

毛を剃った状態のマウスを、通常の食事を与えたグループと「断続的断食」を行ったグループの2つに分けて、毛髪再生速度を比較。
結果、通常の食事を摂取したマウスは30日後に毛が完全に再生したのに対し、断続的断食を行ったマウスは96日経っても、その一部しか再生しなかったとのこと。
では、その原因はいったい何なのでしょうか。
毛包の成長サイクルに悪影響
研究チームによると、「断続的断食」により生命維持に欠かせないホルモンを分泌する副腎が活性化。断食中の栄養供給が不安定な時に、組織の再生を停止する可能性があるといいます。
つまり、髪の毛よりも命を守ろう、という体の防衛本能が働いてしまうということです。わかるけどつらい。
さらに、断食中に発生する酸化ストレスが毛包幹細胞に悪影響を与え、毛髪が生える土台である毛包を死滅させる場合があるという報告も!
さらに、断食中に発生する酸化ストレスが毛包幹細胞に悪影響を与え、毛髪が生える土台である毛包を死滅させる場合があるという報告も!
またニューヨークの皮膚科専門医ブレンダン・キャンプ医師も「断食に伴う代謝変化が毛包の成長サイクルに影響を及ぼす」「酸化ストレスが髪の成長を妨げる」という2つの可能性を語りました。
髪への悪影響を軽減するには?
しかし、救いの手を差し伸べてくれるのがキャンプ医師です。断食をしながらも、髪を成長させる方法を教えてくれました。

鉄、セレン、亜鉛、ビオチン、葉酸、ビタミンDといった栄養素を豊富に含む食事を摂ることで、「断続的断食」による髪の成長への影響を軽減することが期待できるとのこと。
断食する前に、髪に良い栄養を摂っておけということですね。
デブを取るかハゲを取るか
「継続的断食」に限らず、極端なダイエットや急激な体重減少は「休止期脱毛症」と呼ばれる脱毛症状を引き起こす可能性もあると言われます。
やはり食べずに痩せるより、地道に運動して痩せるしか手はないのでしょうか。みなさん、大切な髪を守っていきましょう!