テレビに出演する芸能人にとって、自身の容姿は立派な商売道具のひとつと言えます。では、その容姿を整えるためのメンテナンス費用は、どこまで「経費」として認められるのでしょうか。
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人気ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』の中で、岡村隆史さんが事務所との契約書を読み返したことをきっかけに、「薄毛治療と経費」について熱い持論を展開しました。

発端は「衣装代」は自腹なのか?という疑問

事の発端は、岡村さんが事務所の契約書を改めて読んだこと。契約内容自体に不満はないものの、「衣装、交通費に関してはタレント持ち」と記載されていたことにふと疑問を抱いたと言います。

「税理士さんに聞いたら、衣装はプライベートで着るから衣装代(経費)にはならないと言われた」と語る岡村さん。しかし、そこから話は「どこまでが経費なのか?」という線引きの曖昧さへと展開していきます。

岡村さんは、かつて板東英二さんが植毛費用を経費として申告し、税務署から認められずに大きな問題となった一件を引き合いに出しました。その上で、現在自身が行っている薄毛治療について、強い疑問を投げかけます。

例えば、美容目的でシミを取る行為について考えてみましょう。完全にプライベートな目的だけでなく、「テレビに出るから取っている部分も少なからずある」「お手入れしてテレビに出たほうがいいと言う意識は少なからずある」というのが、表舞台に立つ人間の正直な感覚ではないかと、岡村さんは話します。

さらに岡村さんの矛先は、世間の「薄毛」に対する認識の違いへと向かいます。

「歯の矯正をした人は堂々としているけど、どうしてハゲた人はコソコソしなくてはいけないの?」
20代後半の頃、あるかつらメーカーから「社名の入っていない車で迎えにいく」と言われたというエピソードを披露。社名がないことをわざわざ強調されたという事実に、薄毛が「隠すべき恥ずかしいこと」として扱われている世の中の風潮を感じ取っていたようです。

モデルが仕事で使う化粧品が経費として認められるケースがある(※個別の状況によります)ことを踏まえ、「なんで芸人は薄毛を笑いにすることもあるのに、経費にならない?」と納得がいかない様子でした。

「ハゲ戦士」になれない、岡村隆史の複雑な心境

ここにはお笑い芸人ならではの複雑な事情が絡んできます。相方の矢部浩之さんは、岡村さんが番組内で「薄毛治療をしている」こと自体を笑いのネタにしているため、経費の判断が少しややこしくなっているのではないかと指摘しました。

トレンディエンジェルの斎藤司さんや、ブラックマヨネーズの小杉竜一さんのように、薄毛を前面に押し出して笑いを取るスタイルもあります。しかし、岡村さんは自身から進んでネタにしたわけではないと主張します。

「出川哲朗がお前、(薄毛治療の)薬飲んでるだろ!って生放送で言わへんかったら、俺は粛々と治療に向き合って、何もなかったかのようにしてた」、自ら望んで「ハゲキャラ」になったわけではなく、バラされてしまったからこそネタとして昇華せざるを得なかったという経緯があるようです。

そして、最後にぽつりと漏らした一言に、彼の本音が詰まっていました。

「容姿イジリがあかんって言われてる時代やねんから。そこをイジられないようにガードする。毛を生やす。それの何があかんの?」

熱弁を振るう岡村さんに対し、番組を聴いていた会計大学院で学んだというリスナーから一通のメールが届きました。そこには、極めて冷静かつ的確な解説が記されていました。

「薄毛治療に関しては個人的な医療目的になり、生活費の一部になるので経費になりません。髪の毛がないと仕事にならないのかがキーポイントです」と書いてあったのです。

この見事な正論に対し、岡村さんも「たしかに!ぐうの根もでない!」と白旗を上げる結果に。

法的な解釈としてはリスナーの指摘通りかもしれませんが、そこに至るまでの岡村さんのボヤキには、「笑い」と「コンプレックス」の間で揺れ動く芸人のリアルな葛藤が滲み出ていました。

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