全国の歴史ファン、そしてハゲルヤ読者にとっても、思わず名前に反応してしまう歴史的な因縁の試合が第108回夏の甲子園でついに実現しました。

大会12日目の第1試合で激突した、栃木代表の佐野日大と群馬代表の健大高崎。このカードは、両県のルーツにちなんで「毛の国(けぬのくに)対決」と呼ばれています。

大会12日目の第1試合で激突した、栃木代表の佐野日大と群馬代表の健大高崎。このカードは、両県のルーツにちなんで「毛の国(けぬのくに)対決」と呼ばれています。
共に海を持たない内陸であり、魅力度ランキングの下位争いでも常に肩を並べる北関東の永遠のライバル。春のセンバツで1度、夏の選手権で2度の優勝という、甲子園での戦績すら完全にシンクロしている両県ですが、驚くべきことに春夏通じて直接対決の歴史はこれまで一度もありませんでした。
そもそも、なぜ群馬と栃木の戦いが「毛の国対決」と呼ばれているのでしょうか。
時代は古墳時代にまでさかのぼります。現在の群馬県・栃木県周辺のエリアは、古くからひとまとめに毛の国と呼ばれていました。それが5世紀後半ごろに渡良瀬川を境にして、群馬県側が「上毛野国(かみつけぬのくに)」、栃木県側が「下毛野国(しもつけぬのくに)」へと分断されたと伝えられています。
群馬の前橋と栃木の小山を結ぶJRの路線が「両毛線」と呼ばれるのも、この歴史的背景が由来です。
群馬の前橋と栃木の小山を結ぶJRの路線が「両毛線」と呼ばれるのも、この歴史的背景が由来です。
分断から千数百年。「上」と「下」、どちらの毛が強いのかを決める歴史的決戦ですが、この毛の国ダービーをさらに複雑で熱いものにしている要素があります。

元チームメイトの2人が紡ぐ友情物語

群馬代表・健大高崎のキャプテンを務める石田雄星選手は、実は栃木県の出身。「地元だからこそ、絶対に負けたくない」と、故郷・栃木を相手に並々ならぬ執念を燃やす、いわば“越境の将”なのです。
さらに、敵のキーマンとなる佐野日大のエース鈴木有投手とは、中学時代の栃木県選抜で二遊間を組んでいた大親友。
「一緒に同じポジションにトンボをかけていた」というかつての盟友が、今度は上毛と下毛の誇りを背負って敵対することになります。
#佐野日大 のエース鈴木有選手と #健大高崎 の石田雄星主将は中学時代に本県選抜で二遊間を組んだ親友同士だそう🫢
— 下野新聞写真映像部 (@smtk_syashin) August 16, 2026
試合後に健闘を称えて抱き合う2人の姿が今でも目に焼き付いています
敗れはしましたが、佐野日大ナインは確かに聖地に爪痕を残し、夏の桜を咲かせました🌸https://t.co/OTQJeWRKlH pic.twitter.com/8Sp6UHRc32
「一緒に同じポジションにトンボをかけていた」というかつての盟友が、今度は上毛と下毛の誇りを背負って敵対することになります。

直近では今春の関東大会で両校は激突しており、その際は群馬の健大高崎が3-2で辛勝。しかし石田主将は、「相手は勢いもあって本当に強い。すごい執念でくるはず」と、栃木の底力を誰よりも警戒していました。
試合の結果は…
そんな「上毛」と「下毛」、毛の国の覇権をかけた決戦は4-1で健大高崎が勝利!
12年ぶり2度目のベスト8進出を果たしました。
12年ぶり2度目のベスト8進出を果たしました。
高校野球の毛の国頂上決戦、今年は群馬県・上毛野国が勝利しましたが、ハゲルヤとしては来年春のセンバツもこの2校の対決を甲子園で見たいものです。
