その土地ならではの言い方が面白い方言。言葉の成り立ちには奥深い由来があったりして、島国日本も意外と広いぞ、ということを教えてくれます。
586cc0e9bf2a952bf7fbe188f89111fa_s
薄毛をあらわす「ハゲ」という言葉も、じつは地方によって呼び方が違うんです。

ハゲの語源

ff892acc974d51f3a20ff171438af24b_s
そもそも、なぜ髪の薄い人を「ハゲ」と呼ぶようになったのでしょうか?

辞典によるとハゲは「毛髪が抜け落ちた状態、またはひと」を指すとあります。

語源については諸説ありますが、動詞の「剥ぐ(はぐ)」の名詞形である「剥げ(はげ)」からきているといわれており、 それに同義語であった禿という感じがあてられたと考えられています。

ちなみに、禿は「かぶろ」または「かむろ」とも読まれ、主におかっぱ頭を指す言葉として使われていましたが、 「髪のない頭」という意味もあったのでハゲとも読むようになったそう。

ハゲという言葉が具体的にいつ頃から使われてきたのか、はっきりとはわかりませんが、 「浮世物語」に「さのみにははげをしかり給ふな はげをしからぬ本歌の侍(はべ)るぞかし」という記述もあったことから、 少なくとも江戸時代にはあったと考えられます。

地方によって違う「ハゲ」の呼び方

efe61aec30a4ecd4c7962487f36978fe_s
それでは日本各地の「ハゲ方言」をご紹介しましょう。

秋田県「やかん頭」

2265ed8f3143540981ed6f738beb4f89_s
秋田県では毛がすっかり抜けて、やかん(薬缶)のように丸く光っている頭のことを「やかん頭」と呼ぶそうです。この場合、昔ながらの銅製でつくられた金色のやかんが語源になっていると推測できます。

関西、近畿「はげちゃびん」

fce95e888a42e54d5ca33978cb3737fc_s

関西、近畿地方では頭部の一部、もしくは頭皮全体の毛が抜けきった頭のことを「はげちゃぴん」と呼びます。もともと西日本ではやかん(薬缶)のことを茶瓶といっており、茶瓶のつるつるとした形状にみたててこのように呼ぶようになったそうです。秋田県と同じ発想でも言葉が変わる。面白いですね。

石川県、富山県「ずべた」

1156beb88a9b7e3a0820611dd806150b_s
石川県や富山県ではハゲ頭を「ずべた」と呼びます。「ずべ」は頭を指し、「ずべた」でハゲ頭という意味です。

新潟県「あめ頭」

f786268d18348a6e03c028d3d3d17dff_s
新潟県ではハゲ頭のことを「あめ頭」と呼びます。「あめる」は飴の「飴る」からきており「はげる、つるつるする」という意味があります。また、髪が薄くなることを「あめちゃん」と言ったりすることもあるそうです。

中国、北九州、紀南「きんかん頭」

8683eb9c83b49743a83f8453d4c95bbb_s
ハゲのことを柑橘類の金柑(きんかん)になぞらえ、「きんかん頭」と呼びます。金柑の丸い形状や、金の光り輝くイメージから連想されてできた言葉だそう。

沖縄「はぎちぶる」

54ff4ac6332643b810030ea2e2e2dad0_s
沖縄のある地方ではハゲ頭のことを「はぎちぶる」と呼んでいます。「はぎ」はハゲで「ちぶる」は頭を指しています。ちなみに、傷によるハゲ(部分ハゲ)の場合は「かんぱち」と呼ぶんだそう。

やかんや金柑になぞらえたりと、同じ「ハゲ」という言葉でもさまざまな呼び方があるのが面白いですね。アナタの地元の「ハゲ」の呼び方もぜひ教えて下さいね!

300250

この記事にハゲまされたら
いいね!しよう

ハゲルヤの最新情報をお届けします